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日本は有数の地震多発国です。1995年の阪神大震災では、6000名以上の尊い命が奪われ、9兆円近くの直接的経済損失が発生しました。最近も2004年新潟県中越地震など日本各地で大地震が発生(日本列島は地震の活動期に入っているようです)して、国民の生命・財産、社会基盤施設(道路や鉄道、電力施設、上下水道・通信施設などのライフライン)を脅かしています。大地震が発生しても、人々の生命の安全はもちろんのこと、国や地域の経済活動、人々の日常生活への支障が最小限に食い止められるための備えを工学的見地から実践しているのが、地震防災工学です。
地震防災に関する活動を時系列的に見ると、発生地震の予想、過去の地震被害調査、被害想定、防災計画、耐震基準の策定、社会基盤施設の動的挙動・耐震性能の究明、耐震設計、耐震補強、救援・復旧、復興支援などに区分できます。また、それぞれのテーマの担い手を考えると、震前対策は主に技術者・研究者・行政担当者であり、地震直後は消防・医者・警察・自衛隊・行政担当者が主に活動し、その後、技術者・行政・研究者が協同して活動しています。
我々の研究室では、このうち社会基盤施設の耐震設計・耐震補強に関する研究を主に行っています。例えば、写真1に見られるような高架橋の危険な破壊を防止するための構造を考えたり、あるいは写真2のような比較的古い長大橋梁の地震時挙動の予測や耐震補強方法の検討、地震動を受けない橋梁の開発などに取り組んでいます。また、構造物の設計には荷重(耐震設計の場合は、地震動の強度)の予想が重要です。これまで蓄積されている地震動の観測記録からいろんな特徴を読み解き、その地震動はどのような構造物に大きな被害をもたらすのかを考えて、地盤や構造物に対策を施していきます。さらに、地震後に許容できる構造物の損傷はどの程度かを知ることも大変重要です。地震後に救急車や消防車を通す橋梁などはより一層強く作る必要があります。
このような研究を特に、阪神大震災以後は精力的にやっていますが、まだまだやるべきことは山積しています。感受性豊かな若い人の、この分野への参画を期待しています。

